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ライター標本5・6

インドネシア帰りのかけ出しフリー編集・ライターのブログ

AKBの総選挙をカネのムダと嘲笑する方々へ。国政選挙で投票しないことも半端じゃなくムダでっせ

さて、先週AKB48の総選挙があった。もともとはオタクだけしか興味が無かったイベントが、それなりに世間にも知られるようになって何年か経った。

この総選挙、次のシングルCD収録メンバーを決めるという趣旨で行われているのだが、もはやそれ以上の意味を持つイベントになってしまっている。このイベントでの順位が、他の仕事でも影響が出るほどに強い意味を持つようになってしまった。それゆえにファンの側も、人によっては大量の投票をする。


そしてこの投票、CDを買うとシリアルナンバーの付いた投票券が封入されていて、ウェブサイトでそのナンバーを入力すると、好きなメンバーに投票をすることができる。

CD一枚を千円として、例えば10票分投票したい場合は1万円かかると言った具合だ(※実際は他にもファンクラブなどの投票方法があり、またCDにも複数種類が存在し、それぞれ値段も違うがざっくりと一票千円に統一する)。

この総選挙に際してCDを大量に購入する人が多数存在し、その人々はメディアで取り上げられたり、また自分の周りでも物議をかもすこととなる。ぼくの知り合いの中には「自分の知り合いが何十万円分も投票していて、理解できない。お金の無駄だ」といった趣旨の話を世間話のネタにする人が数多く存在する。

何にお金を使おうがひとの勝手だろうと、いつも思う。しかしそれ以上に思うのがタイトルの件だ。AKBの総選挙での投票をカネのムダとあざ笑う人々は、国政選挙等で投票に行っているのだろうか。

国政選挙の一票は貨幣価値に換算するといくらになるのか。いくつかの考え方があるが、このエントリでは一番オーソドックスな算出方法で考えてみる。

国会議員の仕事のひとつは予算を配分することである。そしてその予算を配分する人たちを国民が選挙で決めている。つまり国民ひとり一人の票が、国の予算の配分を間接的に決めているので、選挙での一票は「国家予算の配分を決める権利」だと考えられる。

政府の予算は約90兆円で、有権者数をざっくり一億人として、一票は一年に90万円。衆議院の人気は四年なので、衆議院議員を決める選挙における一票は360万円分の価値があると言うわけだ。

2013年度版の国税局のデータによると、年収300万円以下が労働人口の4割占めている。これはかなり大きな額だ。

さて、AKB総選挙でファンたちが使うお金はいくらだろうか。何千万円分も投票した人もいると言う、なかば都市伝説に近い話もいくつかあるが、ぼくの直接知る限りでは数十万円が限度だった。

さて、その数十万円をあざ笑う人たちは総選挙の投票に行っているのだろうか。行ってないとしたら、360万円をムダにしている状態で、数十万円のムダをあざ笑っているのである。

360万円払う訳じゃないし、比べるのは無理があるんじゃないか、と思った方。この90兆円の原資はあなたの払った税金ですよ(国債が入ってたり、もちろん全てがではないけど)。

なかなか滑稽な構図だと思うのけれど、どうだろうか。