ライター標本5・6

インドネシア帰りのかけ出しフリー編集・ライターのブログ

あなたの子供や旦那が「youtuberになるから学校(会社)やめる」とか言い出したらどうします?

このエントリを3行で書くとこんな感じ。

ノマドマンセー
→多くの力不足フォロワーが悲惨な状態に
→ユーチューバーマンセー←イマココ

ノマド論争覚えてますか?


底辺youtuberの実態【タイトル変更】 - Togetterまとめ
これ読んだ。

1年か2年前に「ノマド」という言葉が注目を浴びたのを覚えているだろうか。

ノマド
ノマド(nomad)は、英語で「遊牧民」の意味。近年、IT機器を駆使してオフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉として定着した。このような働き方をノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカーなどと呼ぶ。
引用:ノマドとは - コトバンク

ようするに、フリーで何らかの仕事をする人たちのことをノマドとか言ってたわけですよね。ところがノマドと自称していた人たちの仕事が、たまたまソーシャルメディアを使ったPRであったり、ブロガーだったりしたため、「カフェでソーシャルメディアでつぶやいたりすることをお金にしている」ことをノマドと勘違いした人が続出したわけです。
その筆頭が安藤美冬さんやイケダハヤトさんだったかと(うろ覚えなので)。


安藤さんは元有名出版社の編集で、能力も人脈もある(はず)。イケダハヤトさんはソーシャルメディアの運用という仕事をやっていた人。独立しても何とかやっていけるだけの力を持った人が、ソーシャルメディアを上手く使って仕事をしていたのを見て、「カフェで、ソーシャルメディアでつぶやいたりすれば仕事になるん?」と勘違いした痛いフォロワーが続出して、フリーターとか増えたんじゃない?不用意に煽り過ぎたんじゃない?みたいな批判が当時散見されました。

こういうエントリとか。
「ノマドワーキングという生き方」安藤美冬が日本の若者をリスキーな道へ誘導している :: さようなら、憂鬱な木曜日

安藤美冬がどうして食べていけるのか、を正確に分析しないで、「ノマド」という自由なイメージに惹かれて就職しない、あるいは退職する人が出てくる可能性は低くないと思う。

結局のところ、懸命なみなさまは御存知の通り、どんな業種でもフリーでやっていくということは相応にしんどいわけです。けっきょく安藤さんも早々に大学の講師に就職されたと記憶しているので、ノマドを牽引してた人が早々にノマドをやめるという皮肉な幕引きでノマド論争は終止符が打たれました。


で、だ。

全く同じ悲劇が繰り広げられる予感…というかもう起こってるわけですね。

「好きなことで、生きていく」ことができるのって、何人中何人かな?

それが冒頭のリンク。
ヒカキンという、youtubeに動画を上げて広告費などで生活をしている人がいるのですが、その人の真似をして、youtubeで稼ぐために脱サラしたとされる人の経過を見守る人のツイッターまとめです。

悲惨です。クオリティが極めて低い動画を上げ続けて、視聴数は一桁。



好きなことで、生きていく - YouTube - YouTube

こんな感じで、最近は天下のようつべ様が「好きなことで、生きていく」とかいって巨大資本を投入して広告ばんばん打ってます。この影響力は安藤イケダ両氏などとは比べ物にならないインパクトを持っているわけで。

好きなことやって生きていけるのか、と勘違いする残念な人は思ったより多いはず。なぜそう思うかって?ノマド論争の時に散々学んだはずでしょ。

youtuberが何人いて、そのうちの何人が「好きなことで、生きていく」ことができているかなんて考えられない人の数はけっこういるんですよ、きっと。知らないけど。

テレビやネット、繁華街のモニターとかでこの動画CMが流れている。あなたのお子さんや、旦那さん(配偶者)が、本気で「おれ、わたし、youtuberになるから学校(会社)やめる」とか言い出したらどうします?恐怖以外の何物でもないですね。でも、現実にそれが起こっているわけですよ。超面白いTHEノンフィクション。フィクションだったらよかったのに…。

まっくすむらいとか、「誰にでもできることですよ」みたいな顔しておもしろいことばっかやってるけど、ガイアックス上場させて執行役員やってたゴリゴリのエリートなわけですよ。
そういう人が計算して金稼いでるところに、何も考えない人が「好きなことで、生きていく」とか言って、会社辞めちゃうとか恐怖以外の何物でもないですね。

こういう人増えるだろうな〜。で、最後はお決まりのセリフで終わり。

「自分で勝手にその道を選んだんでしょ」。

ノマド論争のときもそうだったからな。とりあえず持ち上げまくるメディアも同罪。っていうか十中九割九分くらいメディアの責任だよね。