ライター標本5・6

インドネシア帰りのかけ出しフリー編集・ライターのブログ

バイラルメディアはのさばり続けるだろうな〜

[徳力]Yahooスマホガイドの悪質バイラルメディア追及レポートが凄すぎて、もはや日本では誰も自らを「バイラルメディア」と名乗らなくなりそうな件について
読んだ。

悪質バイラルメディアにはどう対処すべき? BUZZNEWSをフルボッコにしてみた - Yahoo!スマホガイド
このエントリに関しては本当にすばらしい。よっぴーなめてた。反省。
「バイラルメディアって要するに、ただの法律違反盗人じゃねえか」って思ってた人はとても多いはずなので、バイラルメディア運営の方々は、リテラシーの高い人々からはディスられ続けるだろう。

しかし、その流れの先には、バイラルメディアがなくなるという未来はまだ見えない。なぜかというと、バイラルメディアの稼ぐPVの多くはリテラシーの低い人々によって生み出されているためだ。

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日本人が終戦記念日に見るべき映画「日本のいちばん長い日」

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この映画を見た後に、こんな話を思い出した。古いビンテージギターの価格が高いのはプレミア価値があるからだけではない。良質な材木が枯渇していない時代に作られれ、今では考えづらいほど良質な材を惜しげも無くギター作製に使う事ができたと言われている。プレミア価値があるだけでなく、ギターとしてのクオリティが高いのだ。

古い日本映画を熱心に薦めてくる人に出会うたびに「昔はよかった的な懐古主義」「古い映画をしってるおれかっこいい的なナルシスト」認定をしていたのだが、いくつかの映画を見て考えを改めざるを得なくなった。ある時期までの日本は、最大の娯楽が映画であったため、才能が映画業界に結集していたのだ。だからこそ、昔の日本映画はおもしろいのだろう。

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普通に考えて必要な準備できる人が勝つんだろうな、と感じた話

とある国家資格の試験を受けてきた。

とりあえず申し込んだ後にテキストだけ揃えて勉強した気になり。試験の二日前から必死こいて二夜漬けするという、十数年前から全く進歩しない自分の情けなさを再認識した次第。そしてこの努力の欠如を含めてタイトルの通り、普通のことを準備できる人が最終的には勝つんだろうな、というみもふたもないとりとめのない話をメモしておく。

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AKBの総選挙をカネのムダと嘲笑する方々へ。国政選挙で投票しないことも半端じゃなくムダでっせ

さて、先週AKB48の総選挙があった。もともとはオタクだけしか興味が無かったイベントが、それなりに世間にも知られるようになって何年か経った。

この総選挙、次のシングルCD収録メンバーを決めるという趣旨で行われているのだが、もはやそれ以上の意味を持つイベントになってしまっている。このイベントでの順位が、他の仕事でも影響が出るほどに強い意味を持つようになってしまった。それゆえにファンの側も、人によっては大量の投票をする。

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短期的記憶力のみが試される100点満点の試験に慣れきった視野が狭い世界から解き放ってくれる作品 - 銀の匙を読んで

読書感想文なのでネタバレあり。

『銀の匙 Silver Spoon』作者:荒川弘 版元:小学館

これは名作。素晴らしい傑作。前作「鋼の錬金術師」もおもしろかったが、個人的にはこちらのほうが圧倒的に好き。前作ですでに構成力やキャラクター造形力の素晴らしさを示していたが、それに加えて今作では取材力もあることを証明した。農業従事者の友人いわく「読んで違和感があるところはほとんどない」とのこと。

読んでいて様々な寓話性を読み取ることができるすばらしい物語だが、一番良い所を挙げるとすれば、掲題の件。日本の学校教育で図ることのできない世界を見せてくれるところだ。

主人公はいわゆる受験戦争の敗北者で、そこから逃れるために北海道のとある農業高校に入学するところから物語が始まる。授業や課外活動を通して様々な経験を得ていく、という青春学園ものなのだけれど、農業高校が舞台であるため、さまざまな農業の実習が授業で行われる。そしてその実習は当然、すべてビジネスにもつながるものでもある。

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