ライター標本5・6

インドネシア帰りのかけ出しフリー編集・ライターのブログ

広告クレジット外しって要するに詐欺なんだぜ

やまもといちろうさん対ホリエモンのバトルが始まるなど、記事広告の記載に関する話題がいい感じに燃え上がってきてますね。

[徳力]ネイティブアドのガイドラインが機能してくれないと、間違いなくネットの記事を一つも信じられなくなる未来が来てしまう件について

ネイティブアドの「広告」クレジット外しが違法な件で、ふじいりょうさんへのお答え: やまもといちろうBLOG(ブログ)

堀江貴文さんの「ホリエモンドットコム」で有償広告記事で「広告」未表記(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

このへんはぜひ読んでおきたい。

世の中には「タイアップ記事だとしても、インタビューなどの読者が喜んでくれる記事の場合は、広告クレジットは必要ないのではないか」みたいなことを言ってる人がいますが。

コンテンツとして成立してるとかしてないとかはどうでもいいんですよ。要は金もらってるから褒めてるのか、純粋に商品(またはサービス)を褒めてるのかがわかんなくなるのが問題なんです。

いや、例えばですよ。ある電機メーカーの広報の人が「今年買うべき洗濯機ベスト5」とかいう記事を自社媒体に挙げて、軒並み自社製品がランクインしてるとしましょう。胡散臭いでしょう。ステマってのは、それを他者媒体でやっているみたいなもんです。金払うから褒めて、みたいな。

ニュースを配信するメディアっていうのは、読者のためになる情報を発信するのが唯一の存在意義なわけです。企業から金をもらってるから、なんらかのイベントや商品を取り上げるんじゃなく。

東京編集キュレーターズ : Seminar東京編集キュレーターズ : ナタリーがニッチ分野で成長し続ける理由、唐木元さんに全部聞きました。

この対談でナタリーの唐木さんは「メディアの中に、お金で買える部分と、お金では買えない部分を切り分けて持っている」と話していますが、まさにこのことです。

唐木
さて、ここからが大事な話になりますが、さっき言った特集記事、これは商品です。で、ナタリーにはニュース記事と特集記事っていう2種類のコンテンツがある。ニュース記事は、商品じゃないんです。掲載にお金は1円もかかりません。昔、とある雑誌の編集長の人が「ナタリーにニュース記事を出してもらうには1本いくらかかる」っていう発言をTwitterでしたことがあって、これは事実と異なるからわざわざ抗議して撤回してもらったんです。繰り返すけどニュースの掲載はタダ。それは言い換えると「買えない」ってことです。


田端
値札の付いてないものは買えない。


唐木
そう。だから、たとえば100万払うからこのニュースを記事にしてください、と言われても受けられないものは受けられない。ニュース記事では編集部の主体性、つまり編集権をしっかり確保しておく。繰り返すけど、ひとつのメディアの中に、お金で買える部分と、お金では買えない部分を切り分けて持っているということ。実はこれ、ファッション誌の世界を覗き見たときに勉強したことなんです。ファッション誌はグラビアを絶対に売らないでしょう?

本来、お金で買える部分と買えない部分をわけているのに、買えない部分をこっそり売っているというのが、広告記載のない記事広告なわけです。

要するに、それってもうニュースメディアじゃないんですよ。そして、お金をもらったうえであるサービスを褒めてるのに、それをニュースとして配信するのって、もはや詐欺ですからね。

メディアの編集部が、独自の視点であるサービスを分析して褒めてると思ってたのに、実はお金もらったから見るやり褒めてました、みたいな。

広告クレジット外しってなんでダメなの? と思う方。一言で言うと、詐欺だからです。

駆け出しライターのくせにえらそうな感じで書いちゃったけど、まあそういうことです。